通行料とは
2002年10月パナマは新しいパナマ運河通航料のシステムを採用しました。それ以前の料金の仕組みは今から遡ること1912年のもので重量(トン)に基づいてレートが設定されており、これは全ての船舶に適応されていました。
この仕組みから変更された点は船舶のサイズ・種類に基づいて加算されるようになったという点と別途牽引車の使用料がかかるようになったという点です。
2005年パナマ運河庁はすでに実施されているこの料金システムの適応をフルコンテナ船とその他の甲板コンテナ荷積船のみに適応するようにしました。以前より使用されていた単位である『パナマ運河万国尺度システム(英語の頭文字でPC/UMS)』に代わって新しい重量単のTEU(英語の頭文字Twenty-Foot Equivalent Unit =20フィートコンテナーを1単位とする貨物量の単位)が使用されるようになりました。2005年5月1日から2007年5月1日の3年の間にこのシステムが実施されました。
甲板コンテナ荷積船に関しては船内および主甲板の下を測定するのにこれまでの通りPC/UMSトン単位を適応します。しかし甲板上のコンテナ数に対して最初の表で示させている通りTEU料がかかります。
新制度実施前はフルコンテナ船に対して甲板上積荷の8.78%の課金をしており、船内・甲板下にはPC/UMSを使用していました。
2002年に始まった通行料の差別化は2007年も引き続き行いパナマ運河省は船舶種・サイズによる通行料制度を世界の貿易ルートとしてもより割に合う料金体制に修正されました。
客船の場合は国際トン数証書の69項または乗客安全証書に基づき査定されます。例えば最大収容数30,000名以上の大きさの船の場合PC/UMS÷最大収容数の比率が同じまたは33以下の場合は各バース(船室)を元に計算されます。
2009年11月から2010年4月の非公式の協議でパナマ運河庁は業界各社へ向け新料金制度を提出しました。熟考の末提案は受け入れられ同省庁はこの案をさらに進展させました。この新制度案の実施は2011年1月まで見送られました。
業界各社の代表、船舶会社、政府代表などの話し合い、内部の分析、また世界経済の状況を考慮し2010年の実施はせず2011年1月にリーファーコンテナー以外の全ての区分において新制度を実施することになりました。
パナマ運河庁はコンテナ区分の料金をわずかながら容量のチャージへ上乗せし、新料金を通過する船舶の積荷コンテナへ追加しました。リーファーコンテナーに関しては2011年4月より実施させているパナマ運河万国尺度システム(PC/UMS)分を値上げしています。
料金の構成に関しては船舶の区分分け、これがキーポイントのひとつになっています。パナマ運河庁は常にパナマ運河を通過した場合のルートとそれ以外の代替ルートを利用した場合の料金を計算し価格の評価をしています。
価格の分析は2002年に設定された船舶の種類で分類されているものを使用しています。これは船舶の用途や積み荷のタイプの違いでどの価格に値するかというように決定されます。
さらにルートに合わせた厳密な価格へ続きますが下記の通り認可されております。
1) タンカーのカテゴリーに関しては石油タンカー、LPG船、ケミカルタンカーの3つに分けられるように再検討されています。
2) RORO船に関しては自動車専用船のカテゴリーに入りルートの料金は同等となります。この2つは今後、自動車専用・RORO 船 という1つのカテゴリーになります。
これらの詳細は一般的に認証済みで今後下記の料金表の通り船舶の種類によって価格が決定されます。
この料金は2007年-2009年の実績に基づいています。
TEU 通航料 | 適用開始日 |
$54 | 2007年5月1日 |
$63 | 2008年5月1日 |
$72 | 2009年5月1日 |
空荷のフルコンテナ船(コンテナやその他の荷物を主甲板の下に荷積しない条件)の場合、通航料は下記の通りです。
TEU 通航料 空荷 | 適用開始日 |
$43.20 | 2007年5月1日 |
$50.40 | 2008年5月1日 |
$57.60 | 2009年5月1日 |
船舶の種類 | 通行料 | |||||
最初の10,000トン (CP/SUAB) |
次の10,000トン (CP/SUAB) |
残りのトン (CP/SUAB) |
||||
積荷 | 空荷 | 積荷 | 空荷 | 積荷 | 空荷 | |
一般船荷 乾燥積荷 タンカー ケミカルタンカー LPGタンカー 自動車専用船/Ro-Ro船 その他 |
$5.10 $5.06 $4.92 $5.06 $4.99 – $5.33
|
$4.07 $4.04 $3.94 $4.05 $4.07 – $4.27
|
$4.99 $4.89 $4.84 $4.98 $4.91 – $5.22
|
$4.00 $3.90 $3.87 $3.98 $4.00 – $4.18
|
$4.91 $4.81 $4.75 $4.89 $4.82 – $5.14
|
$3.93 $3.85 $3.80 $3.91 $3.93 – $4.12
|
排水料金 | 1トン当たり3.49 米ドル 排水量料金 |
牽引車料金
【牽引車料金】
牽引車の使用料金は船舶1隻当たりに必要なケーブルの数によって決定します。ケーブル1本当たりの料金は300ドルです。例えば船舶1隻につき牽引車とケーブル4本必要であれば1,200ドルになります。もしも牽引車4台にケーブルが6本必要ならば1,800ドルになります。パナマ運河では新しい牽引車の導入に力を注ぎ、日本製の牽引車を新たに100台購入しました。1台当たりの経費は約210万ドルなので総額約2.1億ドルを費やし、これは日本への貢献にもつながります。
船舶サイズに当たる段階 |
牽引車 x ケーブル* |
料金 |
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(1)長さ: 15.24 m. ~ | 4 x 4 | $800 |
(2)長さ: 15.24 m. ~ 24.384 m. | 4 x 6 | $1,300 |
(3)長さ: 24.384m. ~ 30.480m. | 4 x 8 | $2,000 |
(4)長さ: 30.480 m.以上 | 6 x 12 | $3,200 |